長崎県のAI活用力向上支援事業費補助金で、
中小企業がAI導入を始める方法

長崎県の「AI活用力向上支援事業費補助金」は、県内の中小企業がAI講座の受講とAIツールの導入にかかる費用の3分の2以内(上限100万円)を補助する制度です。2026年度は4月に募集が始まり、予算に達するまで受付期限が延長され、5次募集は10月30日(消印有効)が期限です。この記事では、制度の要点と、申請でつまずきやすい条件、補助金を使って何ができるかを、長崎県平戸市で中小企業のAI活用支援をしているナガサキ企画がまとめます。

※2026年度(令和8年度)の募集要項(令和8年9月30日版)をもとにしています。2027年度の公募要項が公開され次第、更新します。

制度の要点

実施主体長崎県(新産業推進課)
対象者県内に主たる事務所・事業所を置く中小企業・小規模事業者(個人事業主は県内在住)。交付申請日時点で創業1年以上
補助率・補助額対象経費の3分の2以内。補助額は20万円〜100万円(人材育成費の合計が税抜5万円未満の場合は上限50万円)
対象経費①人材育成費:AI活用講座の受講料、関連資格の取得費
②導入費:講座に合わせたAIツール・IT機器の導入費(付随する役務・コンサル費を含む)
募集期間(2026年度)4月に開始。当初の期限は5月29日だったが、予算に達するまで延長が繰り返され、5次募集の期限は10月30日
事業完了期限2026年12月31日(5次募集で申請した場合は2027年1月31日)
申請回数1事業者1回

申請の条件で見落としやすいこと

要項を読んだだけでは気づきにくい条件が4つあります。

  1. 講座は「税抜2万円以上・5時間以上」が必須で、修了証が発行されない講座は全額対象外。無料のオンライン講座や短時間のセミナーでは対象になりません。
  2. 「Nぴか」認証(申請中でも可)か「パートナーシップ構築宣言」のどちらかが必要。パートナーシップ構築宣言は国のポータルに宣言文を登録する手続きで、内容確認の後、登録から約10日で公開されます(修正依頼が入ることもあります)。先にこちらを済ませておくのが現実的です。
  3. 認定経営革新等支援機関かITコーディネータの助言を受けて申請書を作ることが条件。顧問税理士が認定支援機関であることも多いので、まず確認を。
  4. 過去に県のデジタル化系補助金を使った実績が必要。令和5年度以降に「デジタル力向上支援」「宿泊施設DX人材育成等支援」「水産業デジタル力向上支援」「介護ロボット・ICT等活用人材育成」のいずれかに採択され、事業を完了して交付を受けていることが条件です。「デジタル化はまだこれから」という段階の事業者は、先にこれらを検討することになります。

また、同じ経費について国・県・市町の他の補助金との併用はできません。

補助金で何ができるか——中小企業の使い方

この補助金の肝は「講座を受けた人が、ツールを使って業務を変える」ところまでが対象経費になる点です。使い道として現実的なのは次の4つです。

文書作成

見積書・報告書・提案書の下書き、議事録の整理

問い合わせ対応

よくある質問への返信文の作成、定型対応の自動化

SNS・販促

投稿文や広告文の作成、画像の下地づくり

データ整理

売上や顧客リストの集計、Excel作業の自動化

ポイントは、ツールを選ぶ前に「どの業務の、どの作業を、誰がやっているか」を棚卸しすることです。これをやらずにツールを先に決めると、講座を受けても業務に組み込めず、補助金を使っただけで終わります。

申請から導入までのスケジュール

2026年度は4月に募集が始まり、交付決定は受付から1〜2か月、事業完了は12月末(5次募集は翌1月末)でした。来年度も同様の流れなら、動き出しは年明けが目安です。

  1. 前年12月〜2月業務の棚卸し、講座・ツールの候補選び、パートナーシップ構築宣言の登録
  2. 3月支援機関に相談、申請書の準備
  3. 4月〜申請(募集開始後、早めに)
  4. 7〜12月講座受講、ツール導入、業務への組み込み

2026年度は予算が残る限り受付が延長されましたが、来年度も同じとは限りません。「公募が始まってから考える」では、支援機関の助言と書類準備が間に合わないおそれがあります。

よくある質問

個人事業主も対象ですか?

対象は「中小企業者・小規模事業者」で、個人事業主も含まれます。ただし創業1年以上で、個人事業主は県内に居住していることが条件です。

ChatGPTやClaudeの有料プラン代は対象になりますか?

講座受講に合わせて導入するAIツールの費用は対象経費に含まれます。ただし講座とセットであることが前提で、ツール代だけの申請はできません。

申請書は自分で書けますか?

書くこと自体はできますが、認定経営革新等支援機関かITコーディネータの助言を受けることが条件です。

2027年度も同じ内容で公募されますか?

未定です。この記事は2026年度の内容をもとにしているため、公募要項が出たら最新情報を確認してください。この記事も更新します。

どの講座を受ければいいですか?

「税抜2万円以上・5時間以上」を満たし、自社の業務に近い内容のものを選びます。講座選びからの相談も受けています。

ナガサキ企画ができること

ナガサキ企画は、長崎県平戸市を拠点に中小企業のAI活用支援を行っています。補助金の申請そのものは認定支援機関と連携して進め、当社は業務の棚卸し → 講座・ツールの選定 → 導入後に業務へ定着させるまでを担当します。「補助金を使ってみたいが、何から手をつければいいかわからない」という段階から、お気軽にご相談ください。

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参考:長崎県 AI活用力向上支援事業費補助金(制度概要)/同 募集要項(令和8年9月30日版)・申請の手引き/パートナーシップ構築宣言ポータル 登録方法